SBIが昨年から運用を開始した「SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)(愛称: SBI日本シリーズ – 日本高配当株式(分配))が先日純資産300億円を達成したとの発表がありました。
ファンド設立から1ヶ月足らずで300億円達成なのでいかにこのファンドが注目されているかがわかりますね。
今回の記事ではこのSBI日本高配当株式ファンドは有りなのか無しなのか?
投資を検討している人でオススメできる人とそうではない人について解説して行きたいと思います。
結論
まず最初に結論から言うとSBI日本高配当株式ファンドは中身としては真っ当なもので、投資するかどうかを検討する余地は十分にあると言えます。
景気敏感株も含まれているものの、これ一本で日本の高配当株30銘柄に投資でき、また銘柄構成の変更やリバランスもファンド側でやってくれます。
また信託報酬も年率0.099%(税込)と非常に安く、いわゆるぼったくりファンドの類いではありません。
オススメできる人
- 全くの投資初心者でこれから日本の高配当株を始めたい人
- 高配当日本株をやってみたいが、個別の銘柄分析や選定などに時間をあまりかけたく無い人
- 米国株中心の投資をしているが、日本の高配当株にも手軽に分散投資したい人
- 50、60代以降で資産形成よりも定期的なキャッシュフローを重視したい人
投資しなくてもいい人
- 既に自分で日本の高配当株の個別銘柄を持ってポートフォリオを組んでいる人
- 日本の高配当株に興味が無い人
- 時間や手間をかけても銘柄選定やリバランスは自分でやりたい人
SBI日本高配当株式ファンドとは?
ファンドの特徴
- 配当利回りが高い銘柄を中心に、配当の状況、企業のファンダメンタルズ要因、株価のバリュエーション等に関する評価・分析などを勘案し、投資銘柄を選別(アクティブファンド)。
- 年4回の分配金(1月、4月、7月、10月)
- 信託報酬 年率0.099%(税込)
- 配当利回り4.5%を狙う
- 継続的にポートフォリオの見直しを行い、機動的に銘柄選定や構成比のリバランスも行う。
- 均等加重で30銘柄に分散投資
ポートフォリオ(ファンドの構成銘柄)
ファンドを分析する上で最も重要な構成銘柄ですが、2023年12月26日の時点ではこの様になっています。
この構成銘柄を見て皆さんはどう思ったでしょうか?
高配当株として有名なJTや武田薬品などが含まれる一方で、5大商社や銀行株が入っていなかったりします。
これらの株は株価が上がりすぎてしまっており、相対的に配当利回りが下がってしまっているため現時点でファンドからは除外されています。
定期的にポートフォリオの見直しが行われるとのことなので、今後これらの株価が落ち着いてきて配当利回りが上がってくればファンドに組み込まれる可能性は十分あると思います。
まとめて30銘柄に投資できるのは魅力的だけど、組み入れられていない銘柄で欲しいものがある!と言う人は、SBI日本株式高配当ファンド+個別の高配当株という様な形で自分で全体のポートフォリオを調整するのもアリだと思います。
逆に言うと組み入れられている銘柄の多くを既に個別株で持っていると言うような人であれば、あえてこのファンドに投資する意義はあまり無いです。
新NISAでは買える?
- 積立投資枠では買えない
- 成長投資枠では買える
メリット・デメリット
メリット
- 信託報酬がETF並に安い! 年率0.099%(税込)
- まとめて日本の高配当株30銘柄に投資できる
- 投資信託なので100円から投資ができるので初心者でも始めやすい
デメリット
- 分配金が支払われるので資産を増やす点では効率は落ちる(これはあらゆる高配当金融商品共通ですね)
- まだ運用が開始されたばかりのファンドなので隠れコスト込みの実質コストがわからない
- タコ足配当になる可能性がある
特に気をつけなければならないのが3つ目です。
個別株で保有していれば、各企業が株価の上下に関わらず公表された配当金が支払われるだけです。しかし投資信託という形態では、投資先の企業の配当金は直接投資信託を保有している投資家に分配されるのではなく、ファンドの純資産として計上され、その純資産から投資家に分配金を年4回支払います。
企業から受け取った配当金と同額を投資家に分配してくれれば問題ありませんが、例えば構成銘柄の業績が悪くなり目標とする4.5%の分配金相当の配当が受け取れない場合、元本の一部を払い戻して分配金を出す、所謂タコ足配当になる可能性があります。
投資家としては元本を払い戻してまで分配金いらんわというのが本音だと思います。
https://www.sbiam.co.jp/fund/pdf/8931123C_japanhighdiveq_disIV_kofu_20231204.pdf
上記の様にタコ足配当になる可能性もありますが、一方で目論見書の分配方針には配当金と売買益を分配対象とし、分配を行わない場合もあると記載されています。
実際にどうなるかは運用結果を待ってみないとわかりません。
もしこのSBI高配当日本株への投資を検討しているが、このリスクが運用実績の報告書が出るのを待ってから検討してみてもいいと思います。
このブログでも運用報告書が出たらまた記事をまとめたいと思います。
他の類似ファンドとの比較
ここまでファンドの内容やメリット・デメリットを紹介してきましたが、じゃあ他の似たようなファンドと比べるとどうなのかを見て行きましょう。
SBI日本高配当株 | 日本好配当リバランスオープン | 日経平均高配当利回りファンド | iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り | |
信託報酬 | 0.099% | 0.913% | 0.693% | 0.209% |
買付手数料 | 0% | 3.3% | 2.2% | 0% |
商品 | 投資信託 | 投資信託 | 投資信託 | ETF |
分配頻度 | 年4回 | 年4回 | 年2回 | 年2回 |
運用会社 | SBIアセット | SBI岡三 | 三菱UFJ | ブラックロック |
こうして比較してみるとSBI日本高配当株のコストがいかに他のファンドと比べて低コストであるかと言うことがわかりますね。(というか他の高配当投資信託があまりにも高すぎですね^^;)
投資信託やETFを選ぶ際にコストを見るのは非常に重要です。
なぜなら将来の利益は一切保証されていませんが、コストは買った時点、持ってるだけで100%確実にかかるからです。
正直分配金がある日本高配当株にフォーカスした投資信託を選ぶのであれば、現状SBI日本高配当株一択というのが個人的な意見です。
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